2017年10月05日付

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朝夕のひんやり感に負け、家の居間にこたつを出した。朝は眠りからさめた余韻に浸り、夜は外から帰ってきて冷えた体を滑り込ませる。時期的にちょっと早いかなとも考えたけれど、身も心も温まって心地がいい▼最近でこそ電気が一般的になったが、古くは炭火を利用して暖を取る暖房具だった。切り込みの入った半畳の畳を上げ、床下にある掘り込みのふたを開ける。やぐらを据え付けてこたつ布団を掛け、火をうつした炭で暖める仕組みである▼「掘りごたつ」と呼ばれる。じかに伝わる炭火特有の暖かさの半面、使うには手間がかかった。常に炭火を管理し、火を逃がさないよう、外出で家を離れる際にはおき火に灰をかけて埋めた。こたつ掛けの裾は決して押し込まない。家族全員で注意を払った▼簡単になったものだと思う。電気こたつならやぐらと掛け布団さえあれば、どこでも据え付けられる。移動もできて、いらなくなったら取り去るのもすぐさまだ。ただ、その便利さにかまけて注意がおろそかになっていないか。使い方を間違えれば、こちらも火災の可能性がある暖房具であることは変わらない▼ストーブにヒーター、カーペット。季節の進行とともに、身の回りで暖房を扱うことが日に日に多くなってくる。いったん火事が起きてしまうと、多くのものを失う。日常の生活の中で、「火の用心」に改めて心したい秋の深まりである。

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