2016年4月9日付

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レベル7。当時は具体的なイメージがつかめなかった。1986年に起きたウクライナ(当時ソ連)のチェルノブイリ原発事故だ。今月26日で30年になる。東京電力福島第1原発事故を目の当たりにした今、チェルノブイリの事故がいかに恐ろしかったかが分かる▼今年、広島平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルになった佐々木禎子さんが作った折り鶴を、ウクライナに贈る計画があるそうだ。放射能被害が繰り返されないように願いを込め、国立チェルノブイリ博物館に展示される見通しという▼禎子さんは広島原爆被害の象徴だ。2歳の時、自宅で被爆した。10年後、小学6年生で白血病を発症する。鶴を折ると病気が治るという話を信じ、折り鶴を作り続けた。鶴は1千羽を超えたが、願い及ばず8カ月後に亡くなった▼放射能被害の恐ろしさは、時間がたってから白血病やがんに苦しむ人がいることだ。禎子さんもその1人とされ、絵本やアニメで世界に紹介された。原爆の子の像には毎年多くの折り鶴が届く。県内でも中学生の平和学習や平和展などでしばしば取り上げられる▼チェルノブイリから30年。福島から5年。現地周辺では放射性物質の影響に不安を抱える人たちが多い。子どもへの長期的影響については、まだ分からないこともあると聞く。必死に鶴を折り続けた禎子さんの思いを、私たちは生かしていくことができるだろうか。

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