下諏訪の空き店舗に弦楽器工房 開設へ準備

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下諏訪町御田町に弦楽器の修理と制作の工房「LIUTAIO」を開設する佐井泰仁さん

弦楽器職人の佐井泰仁さん(30)=埼玉県所沢市出身=が、下諏訪町御田町の元呉服店だった空き店舗を利用し、弦楽器の修理と制作を手掛ける工房「LIUTAIO(リウタイオ) ヒロト・サイ」を今月中に開く計画で、準備を進めている。「町の人たちに受け入れられ、親切にしていただいている。この町でしっかりと仕事をして恩返ししたい」と意気込んでいる。

佐井さんはバイオリン制作学校を卒業後、東京都の田園調布に工房を構える弦楽器制作職人に弟子入りし6年間、修業を重ねてきた。毎月課題を与えられ、最後の課題として修理困難と思われた1684年製のバイオリンを2年かけて直し、独立を許された。

自分の工房を探していたところ、都内で開かれた移住フェアで高校野球部の合宿で訪れた下諏訪のブースが目に留まり、御田町で若い作家たちが活躍していることを知った。日本で最も歴史が古いとされるアマチュアオーケストラの諏訪交響楽団の存在もあり、移住を決めた。

工房は、古い板張りの床の趣ある内装をそのまま生かし、真っ白だった壁をクリーム色に塗り替え、落ち着いた雰囲気に。ヨーロッパで百年以上前から使われたとみられる作業机を持ち込み、手の届く範囲に棚を手作りして道具をずらりと並べた。

弦楽器の内部には音色に大きな影響を与える魂柱という部品があり、御柱祭がある諏訪地方とは強い縁を感じる。アマチュア音楽家たちが自分たちの音楽を追求し、幾多の困難を乗り越えて自主的な活動を92年間続けてきた諏訪響の歴史に触れ、感動を覚えた。

佐井さんは「御田町は若い作家たちが空き店舗に入って活動する活気のある場所。諏訪地方は音楽に対する独自の風土を持っている地域だと感じる」と話す。

御田町の活性化に取り組むみたまちおかみさん会の河西美智子さんは「町にバイオリンの音色が響くすてきな環境になった。能力がある作家たちが集まり、さらに人を呼ぶ相乗効果が生まれる」と展望を話した。

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