2017年10月09日付

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〈みなさん、あたらしい憲法ができました〉。現行憲法が施行されて間もない1947年8月、全国の中学1年生に配られた教科書「あたらしい憲法のはなし」は、誇らしさやすがすがしさを感じさせるような呼び掛けで始まっている▼〈いまやっと戦争はおわりました。二度とこんなおそろしい、かなしい思いをしたくないと思いませんか〉。当時の文部省が発行した「あたらしい―」は、新憲法の精神がやさしい言葉で説かれている。新憲法を広めるため、次の世代を担う子どもたちに配られた▼〈子どもたち、この新しい世紀のはじめに「日本国憲法」を読みなさい〉。半世紀を経て2001年に復刻版を出版した童話屋の代表者、田中和雄さんは、憲法や教育基本法をよく読み、考え、自分の意見を持って論議に加わるよう訴える。それが国民の責任だと▼憲法施行から70年。昨年夏の参院選の結果、いわゆる「改憲勢力」が衆参両院で3分の2の議席を占めたことから、改憲は現実的な政治テーマになったとされる。あす公示される衆院選でも憲法改正が争点の一つになりそうだ▼不戦を貫き、「平和国家」の歩みを続けてきた日本の進路を見極める上でも重要な選挙になる。「小池劇場」をめぐるドタバタばかりが目についた前哨戦。「国の形」そのものが問われる今回の選挙戦では憲法論議にも耳を傾け、自分なりの考えを持って一票を投じたい。

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