2017年10月12日付

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紅白の大将が、「絶対勝つぞ!」とこぶしを振り上げて仲間を鼓舞し、戦いの火ぶたが切られる。富士見町内の小学校の運動会は毎年、騎馬戦が熱い▼両軍、綿密に作戦を練っていて、赤組が大将の周りを固めれば、白組は左右から敵陣をじわじわと包囲。互いにつかみかかる手を打ち払い、のけぞって攻撃をかわし、勢い余って相手の顔面を引っかいたりとすさまじい争いを繰り広げる。下では馬の組み手が全身でぶつけ合いながら、一歩も引くまいと歯を食いしばる▼日ごろ、殴り合いなどしたこともないであろう子どもたちが、力ずくで戦う姿は勇ましく「現代っ子も案外、根性あるな」と感心する。数分間の攻防戦ながら終わった後の表情は、たくましさを増して大人びても見える▼騎馬戦や棒倒しは運動会の名物だが、けがをする危険性が高いと廃止した学校もある。戦時中の軍事教練の名残だと否定的にみる人もいる。ただ近頃は会話すら苦手な子どもが多く、コミュニケーション不足が指摘されているだけに、こうして体当たりして痛みも受け入れる体験は有意義に思える▼「我こそは」と名乗りを上げた各氏が支持を求めて騎馬を駆っている、もう一つの戦い。旗幟鮮明な三つどもえに有権者の関心も高まる。こちらは舌戦、各氏の主張の吟味に追われるが、騎手の目の向く先もとくと見ておきたい。真の大将は誰なのか-これが肝だもの。

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