2017年10月16日付

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「この記事は、○○さんが取材、執筆しました」。こんな断り書きのある長野日報の記事を目にした読者もいるだろう。中学生が職場体験で記者の仕事を体験し、それを記事にしている。熱心に取り組む姿にはいつも感心させられる▼いわゆるキャリア教育の一環として子どもたちの職場体験やインターンシップ(就業体験)が盛んに行われている。以前はもっぱら職業観や勤労観を養うといった教育効果に主眼が置かれていたが、今は受け入れる地元企業も自分たちの会社を知ってもらいたいという思いが強くなっているようだ▼少子高齢化や若者の流出による人口減少、それに伴う地域の活力の衰退への危機感が背景にあり、地域ぐるみで何とかしなければいけないという認識が広がってきたためだ。しかし、景気回復を受けて大手も採用活動を活発化しており、中小企業は苦戦を強いられている現状もある▼ある高校の進路指導担当教諭は「地域に根差した地元企業を大切にしたいという思いがあるが、生徒も保護者も名前の知られた大きな企業に目が行きがち」という。「就職というより“就社”になっている」と話してくれた▼一方の企業側も「生徒の選択肢になれるよう努力が必要だ」。会社見学会を受け入れた中小企業の経営者が話していた。同感である。そうした努力が企業そのものの活性化につながり、やがて好循環が生まれることになろう。

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