2016年4月10日付

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興奮と熱気に包まれている諏訪大社御柱祭。きょう、下諏訪町を舞台にした下社山出しが最終日を迎えた。長さ100メートル、最大斜度35度の急坂を巨木が滑り降りる「木落し」は全国的にも名高い。連日、氏子や観光客を魅了している▼2日から3日間行われた上社山出しから取材に携わり、祭りに懸ける氏子たちの熱い思いにただ圧倒されている。御柱をお宮まで無事曳行(えいこう)するために、奉仕する各地区では入念に準備をしてきた。この中で生まれた連帯感が大木を動かすエネルギーになるのだろう▼上社山出しの曳行路近くにある諏訪中央病院(茅野市)名誉院長の鎌田實さんは、地域医療を実践する過程で御柱祭に参加するようになった。「よそ者の医師集団が祭りに参加することによって、地域共同体として認められ始めたように思う」と著書に書いている▼生き生きと祭りに参加する氏子たちとの交流も描いている鎌田さん。「祭りは精神状態をハイにするだけではなく、癒やしの効果をあわせもっているような気がする。祭りは不思議なエネルギーを与える」(「がんばらない」集英社文庫)との一節に実感がこもる▼確かに参加するのが一番だろうが、見ているだけでも十分にパワーをもらえる。終点の注連掛(しめかけ)に下社の御柱8本が並ぶと、山出しはすべて終了。各お宮へと向かう5月の里曳(び)きは雰囲気が一変し、華やかさに包まれる。魅力は尽きない。

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