長野日報連載小説 「モレヤ」が本に

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長野日報連載小説「モレヤ」を復刻した仲間に囲まれる執筆者の大久保智弘さん(左)と挿絵の折井宏光さん(左から2人目)

茅野市出身の歴史作家・大久保智弘さん(70)=東京都多摩市=が執筆、院展特待の折井宏光さん(79)=諏訪市大和=が挿絵を担当し、長野日報に連載した歴史小説「モレヤ」が本になった。中世の諏訪地方を舞台に、一瞬のきらめきを残して消えた英雄・木曽義仲を軸に、諏訪大祝・金刺盛澄など義仲の精鋭部隊の軌跡を描いた。2003年8月から08年12月まで掲載され、その後10年余そのままになっていたが、大久保さんの友人たちが専門職を生かして製本。1538回にわたった連載を2年がかりで1冊にまとめた。

大久保さんは都立高校教諭を務め、著書に「御庭番宰領」シリーズなどがある。このうち「水の砦」は第5回時代小説大賞を受賞。「モレヤの背景は古代から中世へと移行する時代。地方からの視座、また古層につながる視点から、異質の文明が衝突する悲劇と喜劇、人間の在り方と崇高さを追った」。

執筆に際し大久保さんは膨大な資料を収集。執筆中もさらに取材するなど、古里からの依頼に精魂込めて書き続け、連載した5年余は多忙な日々を送った。

復刻の機運は、こうした状況で書いた小説が、作家のワープロの中に眠っていることを知った諏訪清陵高校の同期生から自然発生。「手にとって読める紙ベースにしよう」と立ち上がった。

企業の情報システムを開発するソフトウエアコンサルタントの関洋一さん(東京都日野市)は変換を繰り返してデータを起した。「写真のはる」代表の塩原晴彦さん(諏訪市)は版下の作成など得意の分野で作業をつなぎ、挿絵を挟んで新聞掲載と同様なスタイルに整えた。

併せて全ての挿絵の原画をいちき糸店代表の高木義一朗さん(諏訪市)がスキャナーでデータ化し、「歴史画作品集」として1冊に収録した。

大久保さんは「諏訪の歴史に興味があり、その歴史を次代に伝えたいという仲間の熱意で復刻してもらった。本当にありがたい」、折井さんは「思ってもいなかった。原画はすでに寄贈して手元にないだけに感謝の一言に尽きる」と喜んでいる。

A3判。387ページ。問い合わせは写真のはる(電話0266・73・0017)へ。

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