父、母、諏訪の思い出 藤原正彦さん講演

LINEで送る
Pocket

文学資料を収集して研究に活用する県立文学館の設立を目指す「信州文学館(仮称)設立推進会」は29日、諏訪地方ゆかりの数学者で作家、エッセイストとして知られる藤原正彦さんを招いた記念講演会を下諏訪町の下諏訪商工会館で開いた。藤原さんは「故郷信州と父、母そして私」と題して小さな頃を過ごした諏訪地方での思い出を話した。

藤原さんは母親の藤原ていさんの病気で、両親と離れて祖父母と一緒に諏訪地方で過ごした少年時代を「おじいさん、おばあさんに預けられてハッピーだった。父と母は心配したようだが、(前に暮らした)東京での生活を完全に忘れ、諏訪の言葉でしゃべっていた」と振り返った。

ていさんを「百姓魂の人」、父の新田次郎さんを「武士道精神の人」と強調し、終戦でていさんが1人で幼い3人の子どもを連れて中国大陸から引き揚げたことを「卑怯な振る舞いを一切しない父だったら全滅した。生きるためなら何だってした母の根性で生き延びた」とした。

これからの教育で必要な要素に国語を挙げ、「小中学校で徹底的に読書をして論理的思考を高め、日本の文化、芸術、伝統を外国で伝えられないと日本人の恥」とした上で、日本の英語教育を「英語がうまくてもしゃべる内容がなければ国際人になれない」と述べた。

記念講演会前には、ともに推進会発起人で上田女子短期大学の中西満義教授と、NPO県図書館等協働機構の宮下明彦理事長が目指す文学館について説明した。

おすすめ情報

PAGE TOP