2017年10月31日付

LINEで送る
Pocket

菓子折りを持って…は、社会人になってなんとなく覚えた習慣だったように思う。仕事上でも個人的にでも、初めてあいさつに伺う時の手土産や、おわびに伺う時の気持ちとして菓子折りを用意することがある。旅の土産以上に相手方の反応が心配で、品物選びにも迷う▼そもそも、なぜ菓子を折り箱に入れて贈るのだろうか。焼き菓子など、日持ちするものを選ぶことが多いのだが、洋菓子が広く食べられるようになるまでは、今でいう和菓子が包まれて手土産になったはずで、季節を先取りしてさまざまな菓子を届けていたのだと思う▼和菓子と洋菓子。専門家ではないので、実は境界線がよく分かっていない。昔からある和風なものは和菓子で、菓子名に片仮名が使われている洋風な菓子が洋菓子ぐらいにしか思っていなかった▼菓子店の経営者と話をする機会があった。「甘い物、嫌いですか」。そう聞かれてから出された菓子をごちそうになった。和菓子と洋菓子の両方の要素を入れてつくったという菓子で、親子三代の技と思いが詰まっているという。栗あんの甘さとクリームの甘さ、和菓子的な見た目などに和洋折衷が感じられた▼その経営者が「お菓子は人を幸せにする魔力があるんです」と話していた。言われてみれば、怒りながら菓子を食べる人を見たことがない。菓子折りを持っていく理由はそんなところにもあるのではないかと思った。

おすすめ情報

PAGE TOP