2016年04月13日付

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普段は全く目に留まらない場所に一点、鮮やかなピンク色が目を引く。桜花盛りのこの時期は、見慣れた風景も映える▼諏訪の御柱祭も、表舞台で活躍する女性が増えて場が華やいだ。とりわけ力が要り、危険が伴う御柱周りの綱係にも姿があった。彼女たちの威勢の良い掛け声を聞けば、男性に劣らぬきっぷの良さ。高所、難所もひるまない度胸も頼もしい▼御柱祭を含め、かつて女人禁制だった祭りは全国に多いが、昨今は担い手が不足し、女性も頼らざるを得ない実情がある。真に力量が認められ、とまではゆかないのは残念だが、これまでもこうして社会参画の場を少しずつ広げてきた。伝統古い分野での登用は喜ばしい▼ところが、女性の参加が増えるにつれての批判も出てきた。その一つが、祭り担い手の「統制が乱れた」との指摘だ。危険を伴う祭りでは規律ある動きが安全の要、美しさの見せどころでもある。女性が原因とは言い切れないが、基本が損なわれては元も子もない▼弊紙への意見の中に、「かつては祭りに参加したくても許されず、我慢するしかなかった。今の女性がうらやましい」との声があった。男性なら若い頃から地域に尽くして仲間や古老に認められ、中堅になってやっと就ける役もある。さまざまな人の思いを積み重ねた伝統の中で何を守り、次代に伝えるか。楽しさや勢いだけではない要素にも意識を置きたい。

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