下水熱利用で協定 諏訪日赤空調システム構築

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下水熱利用に関する協定書に調印した佐古社長(左)と丸山所長(右)

諏訪市の諏訪赤十字病院に導入される諏訪湖流域下水道の下水の熱を利用した空調システムの構築に向け、県は2日、同事業を手掛けるシーエナジー(名古屋市)と下水熱利用の協定を結んだ。下水熱利用は小諸市公共下水道で実例があるが、県が担う流域下水道の活用は今回が初。同市豊田の諏訪湖流域下水道事務所で調印式を行い、同社の佐古直樹社長は「10%のエネルギーの効率化が図れるだろう」と語った。

地中の下水管を通る諏訪湖流域の下水は、有機物の発酵時に出る熱などの影響で年間を通じて平均約20度に保たれている。下水管内に採熱マット(採熱管)を敷き、不凍液を循環させて下水の熱を採り入れる。下水の温度は外気温に比べ冬は暖かく、夏は冷たいため、地上の外気を暖めたり(冬)、冷やしたり(夏)するよりも少ないエネルギーで冷暖房から適温の空気を送り出すことができる。

同社の調査では採熱区間(病院近くの約50メートル)の下水管を流れる下水は温泉の流入効果もあり、平均よりも高い28度前後に保たれており、特に冬にエネルギー効率が高まる見通しだ。

下水熱の利用は2015年の改正下水道法で、 民間事業者が下水道施設を使って下水熱を利用できることになった。 県は6月に流域下水道の下水熱利用の促進を図る要領を策定し、運用を開始。要領に基づく協定は今回が初めてとなる。調印を受け、同社は6日から採熱システムの構築に向けた工事を開始。 諏訪日赤の管理棟が竣工する来春に合わせ、来年4月からの稼働を目指していく。 事業費は6億2000万円。下水熱の利用は来年度から15年間。

調印後、丸山義廣県諏訪建設事務所長は「下水管が持つ未利用のエネルギーの活用は省エネや二酸化炭素排出量の削減にもつながる。革新的な技術による効率的なエネルギーの利活用を推進していく」とあいさつ。佐古社長は「今回の事業は今後の下水熱利用の普及拡大にもつながる」とした。

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