歩きスマホ 危険と隣り合わせにある

LINEで送る
Pocket

スマートフォンや携帯電話を見ながらの「歩きスマホ」をする人が増え、社会問題化している。周囲への注意力が散漫になるため、電柱や看板などにぶつかって転倒したり、階段から転落するなどの事故が相次いでいるからだ。他人と衝突し、けがを負わす恐れもある。歩きながらの操作に潜む危険性を改めて認識したい。

こうした”ながら行為”は、携帯電話が普及し始めた頃から問題視され、スマートフォンの普及で一気に顕在化した。画面から次々と得られる情報に夢中になり、電車やバスから降りても立ち止まらず操作していると、周りの状況が見えなくなってしまう。

歩きながらの操作は、危険と隣り合わせにあると知るべきだ。携帯電話を見ながら自転車を運転中の高校生が歩行者と衝突した事故では、被害者に重度の後遺障害を負わせた。最近は「歩きスマホ」の人を狙ったひったくりなどの犯罪も増えている。

駅のホームから転落する事故も目立つ。スマートフォンを操作していて線路内に転落、負傷した事例は数多くあり、電車と衝突した死亡事故も起きている。東京消防庁管内では2010年~14年の5年間で、「歩きスマホ」で負傷した152人が救急搬送された。11年以降は毎年30人を超えている。このうちの4人に1人は、一歩間違えば取り返しのつかない駅ホームからの転落事故だった。

米国ハワイ州・ホノルル市で、道路横断中のスマートフォンなどの操作を禁止する条例が10月に施行された。違反者には罰金が科せられる。日本では乗車運転中の使用は道路交通法違反だが、「歩きスマホ」を規制する法律はない。ホノルル市が条例を施行したことで、規制すべき―との世論が高まりそうだ。

全国の鉄道事業者と携帯電話事業者は今月から1カ月間、合同で「やめましょう、歩きスマホ」キャンペーンを展開中だ。ポスター掲示などを通して安全な利用を呼び掛けている。

そもそも歩道や駅構内などの公共の空間で、歩きながらスマートフォンや携帯電話を操作したり、見たりするのは迷惑行為であり、マナーにも違反している。自分だけでなく、他の人を危険に巻き込む可能性があることを認識すべきだ。利用者の自覚を促したい。

おすすめ情報

PAGE TOP