子ども育成の思いつなぐ パカパカ塾に後継者

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箕輪町中箕輪のNPO法人「伊那ハーレンバレー パカパカ塾」は、子どもが馬の飼育体験を通して成長していこう―と、元教諭の春日幸雄理事長(75)=辰野町平出=が開所して今年で15年になる。一代で閉所するつもりだった春日理事長だが、箕輪中部小学校教諭時代の教え子、御子柴貴大さん(28)=箕輪町木下=が引き継ぐことになり、3月末から活動に加わっている。

御子柴さんは小学4~6年に、春日理事長が担任したクラスでポニーを飼育した。当時はポニーが怖く、飼育作業に積極的でなかった。中学生になって「ポニーを飼う生活がなくなったのが寂しかった」と、開所したばかりのパカパカ塾の塾生になった。

塾生は休日などに、小屋の清掃、草刈り、えさ作り、ポニーの世話、乗馬などを体験する。御子柴さんは小学生のころとは違い「楽しい」という気持ちが大きくなり、塾生を修了し、高校生になっても訪れた。

高校卒業後に愛知県で働き、いつか実家へ戻ろうと考えていた2年ほど前、パカパカ塾を引き継がないか―と春日理事長から打診された。御子柴さんは「馬に携わる仕事をやりたい気持ちはあった。趣味とは違い、本気でやる覚悟が必要」と1年間考えた。

「パカパカ塾がなくなるのは寂しい。ここにいるときは気が付かなかったが、馬を飼っていた経験が(生活に)生きている」とパカパカ塾の存在の大きさに改めて気付き、後継者となる決心をした。

15年間で約100人の小中学生が塾生になり、うち約2割が不登校経験があった。春日理事長のように教諭の経験はなく「不安だらけ」というが、春日理事長の下で「子どもの気持ちを理解していきたい」と学んでいく。

春日理事長は「なぜここで馬を育てるのかという思いを(御子柴さんに)教えないといけない。子どもが(活動の中で)こう動いた時にそれをどう見ればいいのか、深い読み取りができるように教えていきたい。どういう子どもをつくりたいのか。そこら辺の腹の据え具合をきちっともってもらいたい」と求める。

現在はポニー6頭、道産子1頭を飼育する。ほかに、モンゴルの馬のオーナーとなって遊牧民を支援する活動もあり、大人約40人が会員。塾生と会員が1年置きにモンゴルを訪れ、遊牧民との交流を深める。4年間休止したポニーレース「パカパカ杯」の復活も今年予定する。

6月のNPO法人総会では御子柴さんの同級生らも理事に加わり、 若返りを図る。御子柴さんは「新しいことにも取り組みたい」と意欲を燃やす。春日理事長は若い世代の提案や行動力に期待し、パカパカ塾に託した思いをつなげていく。

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