信州風樹文庫創立70周年 諏訪で文化講演会

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風樹文庫がスタートした中洲小学校で開かれた同館70周年記念文化講演会

諏訪市信州風樹文庫運営委員会は25日、同館創立70周年記念の文化講演会を同市の中洲小学校で開いた。講師は哲学者でNPO法人森づくりフォーラム代表理事の内山節さん。「私たちの社会と文化」と題して、労働や経済、生活、文化の要素が一体性を持つ共同体社会と生き方の大切さや回帰を強調し、約100人が聞いた。

1947年に当時の中洲村の青年たちが東京の岩波書店から図書201冊を持ち帰り、同校応接室に開設された「風樹文庫」。全3回の最後を飾る講演会は、当時の書庫があった現在の多目的室で開いた。

内山さんは、ヨーロッパで文化が現在の意味になったのは「国家主義的な背景を持ちながら18世紀から」と述べ、「日本では明治30年以降の翻訳で現在の文化の意味になった」と説明。

共同体社会では、さまざまな要素がつながり一体性を持ったが、経済が肥大し暴走した近代社会は他の要素とのつながりを失い、現代社会をつくったとし、「経済だけでは、人間らしい関係がどこにもない個人になってしまう。仕組みを直すことを考えなければ、生活が崩壊する人を大量に生む」と警鐘を鳴らした。

最後に、自身の伝統回帰の取り組みや、社会的に有用な活動を続けようとする企業を紹介。「企業が社会貢献を考えていく時代に戻る活動が広がってきている。近代以降の文化と違う、新しい社会を探し、その方向性を発見する動きが始まっている」と話した。

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