里山研究に蔵書活用 伊那図書館でフォーラム

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伊那谷自然環境ライブラリーの蔵書の活用方法などを話し合った意見交換会

伊那市教育委員会は26日、市立伊那図書館内の自然環境に関する蔵書を中心とした「伊那谷自然環境ライブラリー」の開設10周年を記念したフォーラムを同館で開いた。一般市民ら約30人が来場。今年度から、館内でのみ閲覧できていた大半の蔵書が貸し出し可能となっており、研究者や来場者を交えた意見交換会を通じ、蔵書を活用し人々の暮らしや研究に役立てる方法などについて考えた。

同ライブラリーは、いずれも市ふるさと大使で日本自然保護協会顧問の田畑貞壽さん、元出版社役員の森田芳夫さんからの蔵書の寄贈をきっかけに2008年に設立。ジャンルは自然、生活環境、山岳などにわたり、整理を終えたのは約5500冊。今年度からインターネットを通じ、全国各地の人が検索し借りることができるようにした。

意見交換会では、基調講演した千葉大学大学院の百瀬新教授、信州大学人学部の茅野恒秀准教授の2人のほか、田畑さん(87)=東京都=が登壇。来場者からの質問や意見を受け付ける形で、伊那谷の自然環境と人々の暮らし、農村景観を生かした地域活性化などについて話し合った。「峠の道―奥山と里山の保全活動」をテーマにした茅野准教授の講演を受けて、来場者からは「峠道は文化や経済面で重要だった。伊那でもしっかり調査し掘り下げていくことが必要」などの声が出た。

田畑さんは、こうした調査活動などに蔵書が活用されることに期待。「世界で、ここにしかない本もある。各地区の集会所に蔵書を置いて里山ライブラリーを設け、住民の調査活動などの参考資料にしてもらえれば」と願った。

酒井淳一館長は「蔵書を活用し、里山の暮らしや植物などに焦点を当てたフィールドワークの実施などを検討していきたい」と述べた。

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