2017年11月29日付

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県が10年後のリニア中央新幹線の開業を見据えて上下伊那地方で行っている意向調査に協力した観光客が、本紙の取材に「今回もそうですが、信州への旅はマイカー主体」と答えていた。当然かもしれない▼点在する観光地は多くがJRの駅から遠い。そして1カ所で丸一日楽しめるような場所が少ない。どう考えても何カ所か巡って帰る(宿に入る)には、車が便利。自由が利き、荷物が積み込め、小さな子供がいても安心して移動ができる点もマイカーが選ばれる理由だろう▼東京(品川)―名古屋間を最速約40分で結ぶ夢の超特急リニア。既に着工しているとはいえ、身近な場所で槌音が聞こえてくるわけでもない。形が見えないだけに想像するのも難しい10年後だが、期待される効果を確かなものにするには、ハードもソフトも開業までに整えなければならない▼スピードはビジネスには魅力だ。情報通信技術の発達で既に仕事はどこにいてもできる時代だが、直接会って話をしないと決められないこともある。その点ではリニア効果が期待できそうだ。だが、マイカー主体の観光を楽しむ層が、リニアに乗って「長野県駅」で下車してくれるだろうか▼観光でリニア効果を得るには二次交通をどう機能させるかにかかっている。ただ、開通によって手に入れるスピードが日帰り観光を助長することもある。観光をデザイン面から考え直す必要もあろう。

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