2016年04月16日付

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保育士不足が深刻化しているという。今年3月に子どもを対象にした人気職業ランキングでは堂々の6位に入っていながら、実態は「なり手」が足りない状況だ。保育士に憧れながらも、次第に現実が見えてきた表れなのだろうか▼昨年1月時点の保育士の有効求人倍率は東京都が5・13倍、全国平均でも2・18倍と高めで推移している。上伊那地方でも、年度始めは保育士を適正配置できても、中途入園者があった場合の対応は、容易ではないとされている▼不足の要因は、専門知識や資格が必要な上に、責任や負担が大きい一方で、賃金が現状に追い付いていない点か。厚生労働省調べで、賃金の月額は全産業平均より約9万円低い。長く勤めても昇給しにくいシステムも一歩を踏み出す意欲をそいでいるのだろう▼農繁期の季節託児所として発祥したとされる保育園。現在はただ子どもを預かるだけではない。家庭環境や子どもの体質に応じた対応のほか「子どもを預かる=命を預かる」の重責も保育士には預けられる。その負担は端で見ていても相当に重い▼多々ある職業の中で、保育士だけ特別扱いするつもりはない。だが今や保育園は託児のみならず、人生で初めての教育機関と同等の位置づけにある。不足を理由に教育機会が得られないとすれば大きな損失だ。まずは保育士を目指す思いと実態とが合致した社会システムの構築が求められている。

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