労働者の現実 茅野市美術館で英伸三さん写真展

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茅野市美術館で15日、写真家・英伸三さん(79)=東京都=の作品を集めた「昭和の記憶、一所懸命の時代 英伸三展」が始まった。高度経済成長期を中心に1960~80年代の日本社会の都市や農村の労働者にカメラを向けた作品112点が並ぶ。16日午後2時からは、英さんのギャラリートークがある。

英さんは千葉県の出身。20代半ばからドキュメンタリー写真を志し、高度経済成長期の農村や都会の労働者の現実を取材して回った。1964年に取り組んだ一連の「農村電子工業」では経営不振から電気部品の内職をする伊那市の農家の主婦たちを撮影。その後、日本農業の問題点を追うきっかけとなったという。出品作のうち40点は伊那市や佐久市、大町市など県内の写真を並べた。

展覧会チラシの表紙にもなった写真は「農村電子工業」のうちの1枚。一見、女性がフライパンで料理をしているように見えるが、農家の主婦が内職で電子部品のハンダ付けをする場面という。「日本のエレクトロニクス工業が世界の舞台で華やかな脚光を浴びている陰に、これ以上逃げ場のない農家の主婦たちの厳しい労働があった」という。

英さんは「昭和の人は目の前のことを一所懸命に生きていた。過酷でも仕事をしているときは楽しそうだった」と当時を振り返り「都市も地方もどこかでつながっている。写真を通して日本農業の問題点についても考えてもらいたい」と話している。

同展は5月15日まで。午前10時~午後6時。火曜休館。問い合わせは同館(電話0266・82・8222)へ。

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