2017年12月20日付

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以前、何気なく見ていたテレビで、珍しく1970年代の刑事ドラマを再放送していた。改めて時代を感じさせたことが二つあった。一つは登場する男性のほとんどが喫煙していたこと。もう一つは刑事たちがしばしば公衆電話で連絡を取っていたことだ。街の至る所に公衆電話があった▼かつて外回りの取材には公衆電話が不可欠だった。設置場所をある程度頭に入れておき、いつも10円玉を持ち歩いた。急用の際には商店や事業所に飛び込んで電話を借り、小銭を置いてくることもあった。相手も嫌な顔をしないで貸してくれた。そんな時代だった▼今年の情報通信白書によると、昨年末の時点で公衆電話は全国に約16万台。2001年の約68万台に比べると、2割ほどに激減している。なるほど、街中で見かけることが少なくなったわけだ▼昨年3月、埼玉県で女子中学生の誘拐容疑事件があった。逃げ出した生徒は駅の公衆電話から110番通報して保護された。この事件をきっかけに、親たちから「子どもに公衆電話の使い方を教えなければ」という声が出たそうだ。無料で緊急通報できることを知らない子どももいるという▼公衆電話は災害時、通信規制の対象外として優先的に使うことが出来る。日常生活でほとんど使わなくなったが、いざという時に命を助けてくれるかもしれない。そう思うと、数少ない公衆電話の存在が頼もしく見えてくる。

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