報酬の妥当性どう判断 諏訪市議会の審議会要請

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諏訪市議会(定数15)が、議員報酬改定の是非を議論するため、議員報酬及び特別職給料審議会を開くよう金子ゆかり市長に要請した。議員活動の負担増や、なり手確保などを理由に議会側は引き上げが必要との立場だ。金子市長は2018年度内に外部の関係者でつくる審議会に白紙諮問する方針。市民の中には、中小企業で賃金が上昇しない社会情勢などから十分な検討が必要との声もあり、妥当性をどう判断するかが焦点になりそうだ。

議員報酬に関する審議会は1996年11~12月に開いた後は行われておらず、報酬は97年4月に増額されてから据え置いている。

議会側が報酬引き上げの前提に立つ理由の一つが、議員活動の負担増だ。2005年に定数を23から8減の15とすることを決め、07年の市議選から適用している。全国市議会議長会の16年12月末現在の調査によると、人口規模に対する議員定数について、人口約7万5000人で定数14の埼玉県志木市など数例はあるものの、人口5万人弱で定数15は全国の市で最少水準。議会側は「定数削減前に比べて議員1人当たりの負荷は約1・5倍になった」と指摘する。

議会活動だけでなく、議員としての地区活動参加も多いとし、報酬に加味するよう求めている。議員のなり手確保も課題で、議会側は「幅広い住民の意思を反映させるためにも多様な人材が立候補しやすい環境づくりが重要」とする。

諏訪市議の月額報酬は34万9000円で、税金などを除くと手取りは減る。「報酬は生活給ではない」との一般的な解釈はあるが、市議最年少で会社員の伊藤浩平副議長(49)は「議員は議会活動だけでなく地域の会合に出席するし、勉強の時間も必要。志を持って務めるなら『本業』になる。子どもを育てながら議員報酬だけで生活するのは難しい」と話す。

12年以上在職した場合に支給されていた地方議員の議員年金は11年に廃止されており、「議員を辞めた後の生活の保障がない」との声も議会内にはある。

元市議の一人は、議会活動以外に地域の会合に声を掛けられることが多かった点から引き上げに一定の理解を示す一方で、「議員のなり手不足とはいえ、(人口の少ない)町や村とは違う。政治への関心を高めて人材を育成することが重要であり、報酬の引き上げという形が正しいのかどうか」とも。「景気が上向いていると言っても中小企業の賃金は上がっておらず、社会情勢を考慮に入れる必要がある」と話す。

諏訪市の議員報酬は17年3月時点で県内19市で多い方から10番目。近隣の岡谷市、茅野市と比べて大きな差はない=表。岡谷市議会(定数18)の議会事務局は「議員報酬について表立った動きはなく、改定を求める意見はない」。茅野市議会(同)の両角昌英議長は「定数のあり方を含めて問題意識は持っているが、現段階では具体的な検討には入っていない」としている。

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