中川村にチバニアン? 地元住民に話題

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地元住民らが指すポールの間(約40センチ)が約77万年前の「御嶽白尾火山灰(南田島テフラ)」の地層=中川村片桐南田島の村道八幡沢線沿い

中川村片桐南田島の村道八幡沢線沿いの斜面に、約77万年前の地層があり、住民の間で話題になっている。この地層は、地質学で地球約46億年の歴史を115の時代に分類する「地質時代」のうち、まだ名称のない時代への認定を目指し、日本の研究チームが申請する「チバニアン(千葉時代)」の地層と同時期とみられ、地元では勉強会を開くなどして知識を深めている。

国立極地研究所によると、「地質時代」は各時代に繁栄した生物や環境の変化に応じて詳細に分類。恐竜がいた「白亜紀」や「ジュラ紀」の名称がよく知られている。

世界の地質学を研究する国際地質科学連合は、各時代の特徴を現す世界各地の地層「1時代1地点」を「国際標準模式地」として認定し、今は世界65カ国以上に点在する。千葉県市原市の養老川沿いにある「チバニアン」は、まだ名称が付かない約77万年~12万6000年前の特徴をもつ地層として、現在認定に向けた手続きを進めている。

チバニアンには約77万年前に起きた地球最後の「地場逆転」の特徴が明確に残る。この磁場逆転の地層から約1メートル下にある火山灰層を「白尾火山灰」といい、約77・3万年前に御嶽山の大噴火によってできた地層とされている。

南田島の地層は、千葉の白尾火山灰と同時期に堆積した火山灰地層で、同村下平の地質研究家、寺平宏さん(85)が1998年、村道の拡張工事の際に発見し、「南田島テフラ」と名付けた。その後、チバニアン研究グループの一員で、信州大学教育学部の竹下欣宏准教授が、千葉の白尾火山灰と同じであることを証明し、現在は「御嶽白尾火山灰」と呼ばれている。

南田島の同火山灰地層は、国道153号からJR伊那田島駅へ向かう村道沿いにあり、厚さは40センチ程度。天竜川の礫層と木曽山脈の礫層の間にはさまれている。
地質学的にも重要な指標

2017年末には地元住民が現地で学習会を開催。竹下准教授の研究にも協力する寺平さんは「堆積した土を水で洗うと、角閃石や磁鉄鉱など火山起源の鉱物が現れる。南田島の地層は地質学的にも重要な指標になる」と話す。

「チバニアンより先に研究が進めばナカニアン(中川時代)になったかもしれない」という住民の問い掛けに、寺平さんは「チバニアンは海底での堆積が地上に隆起した地層で、時代を示す化石なども含め特徴が明確に現れている。一方、天竜川の河原に堆積した南田島の地層に化石は含まれず、不安定要素が多くて認定は無理」と答えた。寺平さんによると、御嶽白尾火山灰の地層は、駒ケ根市の鼠川と天竜川の合流点付近にも露出している。

南田島の地層は普段、村道斜面の土留めフェンスの下にあるが、1月中旬まではフェンスを外し、見学できるようになっている。見通しの悪いカーブの内側にあり、地元では「車に気を付けて見てほしい」と話している。

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