2018年01月05日付

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〈それは昨日に続く今日の上/日常というやや平坦な場所に/言葉が建てた素晴しい家、/世界中の人の心が/何の疑いもなく引越して行きました〉。石垣りんさんの「新年」と題された詩を読むと、気持ちまで改まってくるようだ▼折々に節目をつけることで、単調な日々の暮らしにも変化が生じる。旧年と新年の境目には特にそんな感慨を強くする。「正月という月はふだん見なれているものが、ほんの少しあらたまって見えるところがうれしい」。評論家大岡信さんの言葉にうなずかされる▼しかし三が日もすぎると、ありふれた日常が戻ってくる。きょうは多くの企業で仕事始め。経済の世界化で国境を越えた競争は激しさを増し、経営者の年頭あいさつにも力がこもる。働く人には自覚を促される場でもある。目標を胸に仕事に臨んでいる方もいよう▼日本の経済は堅調だ。景気の拡大が続き、4年以上続いた高度経済成長時代の好景気「いざなぎ景気」超えが昨年のニュースで大きく報じられた。企業の求人意欲は高く、人手不足は深刻。それでも景気がいいという実感は乏しい。消費者の節約志向が続いている▼好調な企業業績が家計にも及ぶ好循環が生まれるといいのだが。景気の先行きとともに、北の核の問題をめぐる国際情勢の動向からも目が離せない。「希望」や「夢」を描きたい年初ではあるが、何の疑いもなくとはいきそうにもない。

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