2018年1月10日付

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「やっぱり」か「やっと」か。世界保健機関(WHO)は、生活に支障を来たすほどゲームに熱中する状態について「ゲーム障害」という新たな”病気”として国際疾病分類に加えるという。インターネットやスマートフォンの普及が、新顔の副産物を生み出した形だ。ごく身近な機器が直接の原因だけに、治療も随分厄介になりそうだ▼WHOによると▽ゲームをしたい欲求が抑制できず1年間程度続ける状態が続く▽家族関係や仕事を含め生活全般に支障を来たす―が、診断基準という。明確に定義されず放置されていた分野に、メスを入れようとの意図だろう▼過度な依存状態により社会問題化した例はこれまでにも多々ある。ギャンブルや喫煙、買い物、テレビなどの各依存症も同じ集合体に入ろう。「過ぎたるは及ばざるが如し」か▼最も懸念すべきは、これから人として必要な知識や経験を身に付けていく若年層への蔓延だ。ゲームの世界は現実とは程遠い妄想の世界。ボタン一つで自分にだけ都合のよい世界が選べる。それが当たり前と捉えられるのはすごく怖い▼学習能力の低下や引きこもり、身体の不調、家族関係の悪化などゲーム障害にまつわる報告事例は多様だ。放置すれば社会維持の危機にも至る、といえば大げさか。だが、常に手が届く位置にその起因となる機器が置かれている時代に入っているのは決して妄想や空想の話ではない。

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