2018年1月15日付

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1988年カナダ・カルガリー。五輪のスピードスケート競技で、黒岩彰さんは男子500メートルのスタートラインに立った。4組アウトコース。号砲とともに、スタートが切られた▼「4組アウト」とは因縁が深い。優勝候補と言われながら10位と惨敗した4年前サラエボ大会と同じ滑走順、コース分けである。当時はスピードが最も乗る最終コーナーできついカーブを回るアウトスタートは、不利が常識とされてきた。しかも、同じ4組とは▼普通なら動揺するところだろう。けれど、練習から最悪の状況を常にイメージしてきた成果が出る。結果は雪辱の銅メダル。黒岩さんは著書で、「面白いじゃないか、と前向きな気分になれた」と振り返る。絶対負けられない場面での最悪を想定した準備は、危機管理の基本だ▼今、誰もが常に頭に置いておかなければならない危機管理が、地震の発生ではないか。自宅で、そして、外出先で。突然の大きな揺れに見舞われたら、どう行動し、身の安全を確保するのか。家族との連絡は。まずは何をしたらいいのか▼さらに、地震発生の最悪の日時を想定するなら、真冬の深夜だろう。屋外避難は極寒に身を置くことであり、屋内にとどまることができても、停電すれば灯油ストーブなども、電源が必要なタイプは使えない。身の危機に陥る。そんなことも頭に入れて備えをしたい。これから年間で一番寒い季節が来る。

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