阿智村「村民劇」 訴える満蒙開拓の悲劇

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満蒙開拓の歴史をテーマにした劇を演じる阿智村の子どもたち

演劇を通じて満蒙開拓の歴史を伝えようと取り組む下伊那郡阿智村の住民による「村民劇プロジェクト」の公演が14日、岡谷市のカノラホールで開かれた。戦争が生んだ悲劇を同村の子どもから大人まで約20人が演じ、平和の尊さを訴えた。

阿智村からは戦時中、1000人を超える人が旧満州(現中国東北部)へ渡った。現地で終戦を迎えた開拓団は逃避行や収容所生活を経て日本へたどり着くが、その途中で多くの人が命を落としたり、残留孤児になったりした。プロジェクトは、こうした満蒙開拓の歴史を学び、後世に語り継いでいこうと企画された。

公演は3本立て。「たんぽぽの花」は、9歳の時に家族9人で満州に渡り、父親とはぐれ、母親らを亡くした野中章さん(故人)の体験を基に作られた。帰国後、帰る家がなく、「こじきが来て寝とる」などと言われたりした逸話が描かれた。

昨年12月の長野市に続く村外公演で、約210人が観劇した。自らも4歳の時に引き揚げてきたという市内の男性(77)は「自分と重ね合わせて見た。満蒙開拓は国策だった。戦争の方向に進んでほしくないという思いを強くした」と話した。

プロジェクトを企画した女優で同村地域おこし協力隊の二川舞香さんは「多くの人に来ていただき、関心の高さを実感した。もっといろいろな所でも上演したい」と手応えを感じていた。

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