2018年1月19日付

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オカメス(メダカ)、カヤの実、ハチの子ご飯…。伊那谷出身のジャーナリスト、本多勝一さんは少年時代、故郷の山や川で遊び、実に多様な自然の幸を味わっている。昆虫や草花も貴重な栄養源であり、ごちそうでもあったのだろう▼昭和10年代に小学生だった本多さんの体験をもとに描かれた漫画「本多勝一はこんなものを食べてきた」(七つ森書館)を読み、自然から得られる食の多様性に気づかされた。ハチの巣を探し、ウナギを獲る。おいしいものを求める子どもたちがたくましく見える▼高校2年生になった勝一少年は、友人の誘いで初めて「ざざ虫」捕りにも挑戦している。カワゲラやトビゲラ、カゲロウなど川にすむ幼虫を網で捕まえ、つくだ煮に。「川虫ってこんなになんでもかんでも食えるんだ」と感心しながら口にする場面がほほ笑ましい▼ざざ虫漁は今でも伊那谷の冬の風物詩だ。昨年12月1日に天竜川水系で今季の漁が解禁され、漁協から許可を受けた組合員が四つ手網を使って珍味を水揚げしている。冷たい水の中での作業は大変だが、寒い時期だからこそ虫に脂が乗っておいしくなるのだという▼伊那市創造館は企画展「大昆蟲食博」を開き、伊那谷と東南アジアを中心に昆虫食の文化を紹介している。虫はにがてという人も多いだろうが、世界の食糧危機を救う栄養源として注目を集めていると聞けば、見る目も変わってくる。

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