御柱祭を彩る2 「騎馬行列」諏訪市神宮寺

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大人に交じって長柄槍の練習に励む笠原君(手前右から2番目)

大人に交じって長柄槍の練習に励む笠原君(手前右から2番目)

「よー、やっ」。

諏訪市中洲の神宮寺公民館。連日、夕方から夜にかけて威勢のいい掛け声が響く。地元の神宮寺保存会の騎馬行列のメンバーだ。額に汗をにじませながら真剣な表情で練習に打ち込んでいる。

昨年10月、同会は騎馬行列を発足させた。総勢は約80人に上り、赤熊や手槍などの大人たちが務める役に交じって子どもで唯一、諏訪南中3年の笠原鉄平君(15)が長柄槍として加わっている。前回の御柱祭で子どもが担う草履取りとして初めて参加。父の洋志郎さん(41)から「やってみないか」と誘われたことがきっかけだった。最初は人前に出る恥ずかしさや不安も大きかったという。しかし、必死で練習に食らいつき、本番でやり終えたあとはなんとも言えない達成感を味わったと振り返る。

2回目の今回、前々回に長柄槍を経験した父に勧められ、挑戦することを決意した。あどけなさの残る顔も、練習が始まれば、りりしい表情へと一変する。周りの大人たちに負けじと全神経を研ぎ澄ませ、一つひとつの所作を繰り返し練習する。

行列では前方の色傘、御箱の後に続く長柄槍。後方の目印となる役割もあり、槍を持ちながら、腕をあげ続けるため、筋力も要求される。行列では槍を投げ渡す場面もあり、「責任のある役」としつつも「槍を投げるときが一番心配」ともらす。本番では風などの天候に左右されるためだ。「神宮寺の氏子として絶対に成功させたい」と力が入る。

「大人と交じって練習する彼は一生懸命取り組んでいる。将来が頼もしい」と同会の高橋英樹会長(50)は目を細める。保存会として「本番では先代の人たちがやってきたことを背伸びすることなく、伝統に乗っ取ってやりたい。後世に残していけるように時代の流れに合わせて、革新を加えて次の世代に引き継いでいく。それが我々の使命」と語気を強める。

今回、芸傘を務める洋志郎さんは「しっかり所作を覚えて、堂々とやりきたい」と息子と共に出る騎馬行列に思いを寄せる。「悔いの残らないよう力の限り出しきりたい」と鉄平君。自然と槍を持つ手に力が入る。いざ里曳きへ。士気が高まる。

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