2016年04月22日付

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大規模な土砂崩れ、寸断された道路、倒壊した家屋-。「熊本地震」の被災地の惨状に胸がえぐられる。不安になって自宅の押し入れからバッグを取り出し、中身を確認した。水の入ったペットボトル、懐中電灯、カセットガスバーナー、レインコート…防災用品の数々である▼非常用保存食は6月、水も12月に賞味期限が迫っていた。ラジオの電池は切れていなかったけれど、こちらも交換しておいた方がよさそうだ。わが家で防災セットを備えたのは、東日本大震災で受けた衝撃が大きかったからだ▼あれから5年。取扱説明書には、年に1回は装備品を確認するように書かれていた。でも、こうして改めて中身を点検したのは購入して以来かもしれない。さらには、多くの物が置かれた押し入れの中で、万一の際に持ち出せるだろうか。これでは気休めにすぎず、役に立たない。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の言葉が浮かんだ▼「3・11」を境に日本列島は地震と噴火の活動期に入り、きわめて危機的な状況が続いていると京大教授の鎌田浩毅さんは著書「生き抜くための地震学」(ちくま新書)で強調する。その上で「『減災』の成功を支えるキーフレーズは、『たったいま自分ができることから始める』」ことだと説く▼再び大地震が来ると言われながら、自分だけは関係ないと思う油断は禁物。「自分事」ととらえ、身の回りから行動を始めたい。

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