渋沢栄一賞受賞 伊那食品工業塚越会長に聞く

LINEで送る
Pocket

年輪経営について話す渋沢栄一賞を受賞した塚越会長

優れた経営者に贈られる「第16回渋沢栄一賞」を受賞した伊那食品工業(伊那市)の塚越寛会長(80)が長野日報社の取材に応じた。これまでに全国の38人が受賞しており、県内では2人目。同社の経営方針や地域文化への貢献が評価されことに関し、塚越会長は「経営者として当たり前のことをしてきただけだが、受賞はありがたい」と喜びを語った。

同賞は日本最初の株式会社「第一国立銀行」を創設し、富岡製糸場(群馬県)の建設に尽力するなど近代日本の礎を築いた実業家、渋沢栄一を顕彰し、その精神を受け継ぐ企業活動と社会貢献を行う全国の企業経営者を対象に、渋沢の出身地である埼玉県が2002年度から行っている。

伊那食品工業は創業以来48年間にわたり増収増益を達成。経営的に無理をする急成長を戒め、樹木のように着実に成長する「年輪経営」を掲げている。塚越会長は「会社は社員の幸せのためにある。景気動向を予測し、あらかじめ対策を講じれば景気に左右されない経営ができる」と話す。

地域の文化振興では後継者問題などで経営の継続が困難になっていた米澤酒造(中川村)を14年に子会社化。同社の雇用と酒米づくりに使われる村の景観でもある棚田を守った。塚越会長は中川村が加盟するNPO法人「日本で最も美しい村」連合の副会長も務めており「造り酒屋は村の大事な文化。単なるビジネスでなく、古い文化や伝統を守っていきたい」と決意を述べた。

芸術文化やスポーツ振興にも積極的で、県伊那文化会館で毎年行われている能と狂言の「伊那能」は初回から協賛。全国から高校生が集う「春の高校伊那駅伝」も特別協賛している。塚越会長は「伝統を引き継ぐのも、地域を担うのも次世代の若者たち。今後も企業ができることを続けていきたい」と語った。

おすすめ情報

PAGE TOP