赤穂小6年3組の竪穴住居 卒業控え解体

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取り壊しを前に竪穴住居の周りで遊ぶ6年3組の児童

駒ケ根市赤穂小学校6年3組の35人は、総合的な学習の時間で手作りした建物に泊まることを目標にして、縄文時代の竪穴住居の製作に取り組んできた。学校の敷地内に建てたのは高さ3メートルを超える大掛かりな住居で、穴掘りや組み立てなどに1年を費やし、昨年10月に完成。寝袋にくるまって宿泊体験するなどたくさんの思い出をつくってきたが、卒業を控えて解体することが決まっている。2月1日に始まる取り壊しを前に児童らは、建物の周りで遊んだり写真を撮ったりして竪穴住居の姿を目に焼き付けている。

住居は円すい形で、直径4メートル、深さ50センチほどの穴を掘り、高さ約3メートル80センチの規模で組み立てた。大人数でも泊まれる大掛かりな建物を目指し、2016年に製作を開始。縄文時代の住居や暮らしについて図書館の本を借りて調べ、竪穴には風をしのぎ、屋根にふくカヤには雨の侵入を防ぐ役割があることを知った。

特に苦労したのは、16年冬に始めた穴掘り。スコップなどを使って掘り進めたが、冬の寒さで土が固かったり、旧校舎のブロックなど廃材があったりして作業は難航。授業時間のほか、空き時間にも係の児童を中心に有志が熱心に掘り進めた。「卒業に間に合うのかな」「本当に建つのかな」などと焦りもあったというが、半年以上かけて昨年夏に掘り終えた。

その後は重機で建ててもらった柱に、児童が大量のカヤを一束ずつ麻ひもで縛り付けて、作業開始から1年がかりで見事な建物が完成。昨年10月には心待ちにしていた宿泊を体験し、秋の肌寒い中でシートを敷くなど防寒対策を施して泊まった。山下竣太郎君(12)は「思ったより暖かくて、泊まることでみんなでつくり上げたという達成感を感じた」と振り返る。
縄文時代に思いをはせ

縄文時代の住居づくりは、6年次から始まる歴史の学習の理解を深める狙いもあった。活動の随所で児童からは「昔の人は寒くなかったのか」「高い建物をどうやって建てたのだろう」と、それぞれに気付きがみられたといい、担任の河野寛樹教諭(41)は「昔に思いをはせ、古代の暮らしについて考えることで特別な学びになった」と喜び、仲間と協力しながら最後までやり遂げた児童の成長に目を細める。

竪穴住居は、普段の遊びで隠れ家になったり女子児童の相談部屋になったりと、子どもたちの憩いの場。ただ、卒業後に残すことはできず、壊すのが約束だった。「なくなるのは悲しいけど、決めたことは最後までやり抜く」と平澤芽唯さん(12)。「(竪穴住居)と5年生の頃から一緒に過ごしてきた気がする」と語り、解体まで残りわずかとなった時間でクラスメートと写真に収まるなどして別れを惜しんでいる。

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