出征兵の日章旗下諏訪に帰る 遺族へ返還

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遺族の小口洋太郎さん(中)の元に返還された孝一さんの日章旗

第2次世界大戦に出征し、ニューギニアで戦死した下諏訪町出身の小口孝人さんが持っていたとみられる日章旗が1月31日、おいの小口洋太郎さん(74)=同町清水町=に返還された。日章旗を所有していた元帰還兵で米国ニューヨーク在住のトニー・エスポジートさん(94)が、「遺族の元に返したい」と町を通じて遺族に返した。

町遺族会の戦没者遺族名簿によると、孝人さんは1943年12月に戦死したとみられる。国によるニューギニアでの遺骨収集事業で孝人さんの遺品は見つからず、遺族は現地の砂のみを納骨堂に納めているという。

日章旗は縦67センチ、横100センチ。白地の部分に「祈健勝 小口孝人君」と大書きされ、「諏訪郡下諏訪町長 小口守一」、孝人さんの兄で洋太郎さんの父親の名前「小口克郎」、「野球部一同」などと寄せ書きされている。

エスポジートさんは戦時中、米海軍掃海艇の乗組員だった。日章旗は同じように元米兵だった遠縁の男性の遺品から見つかり、遺族が2年前に同じ立場のエスポジートさんに託した。男性が戦地から持ち帰ったか、人からもらったか入手経緯は分かっていない。

洋太郎さんは孝人さんとは面識はないが、父親の克郎さんから10人きょうだいの中で最も優秀だったと聞いて育った。洋太郎さんの長男が生まれると、克郎さんは「孝」の字を使って命名した。

初めて旗を見た洋太郎さんは「感無量。父が生きていたらどんなに喜んだか分からない。知っている人の名前がかなりあるので、大勢の人に見送られたんだと思うと感慨深い」と感動した様子で話した。

青木悟町長は「当時を振り返り、平和の大切さを感じる機会になる。旗には多くの名前が記されているので、8月15日の戦没者追悼式で町民の皆さんに見ていただく」とした。

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