2018年02月02日付

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〈あかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかあかやあかあかや月〉。鎌倉時代の明恵上人の作という。月とともに暮らしていた昔の人は、いまよりも頻繁に夜空を見上げ、地球の伴侶に強く思いを寄せていたのではないだろうか▼1月最後の晩、多くの人が夜空で繰り広げられた天体ショーを楽しんだことだろう。地球の影に満月がすっぽりと隠れる「皆既月食」が3年ぶりに起きた。まさに「あかあかや月」と声を発したくなる明るく大きなスーパームーンが、赤銅色に染まる様子を拝めた▼欠けていく月を眺めながら、〈星の恋いざとて月や入りたまふ(長斎)〉という歌を思い出した。旧暦の七夕、夜も更け天空を明るく照らしていた月が沈み、星々の輝きが一段と増すとき、織姫と彦星の逢瀬が始まる。そんな壮大な天上のロマンスに思いをはせた▼月光とはまるで関係ないが、めっきりと会う機会の減っている地上の神様のことも気にかかる。全面結氷している諏訪湖で、氷が割れてせり上がる御神渡り(御渡り)が5季ぶりに出現しそうだ。認定の前提となる3本の筋も確認され、いよいよという感じである▼御神渡りの判定と神事をつかさどり、早朝の観察を続けてきた八剱神社(諏訪市)の関係者も待ちわびたことだろう。4日は「立春」。暦の上では春が始まるが、寒い日は続く。氷上に幻想的な「神様の恋路」が現れる日が待ち遠しい。

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