清水多嘉示”画業”に焦点 原村八ケ岳美術館

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初公開作品など45点の清水の絵画作品が並ぶ館内

初公開作品など45点の清水の絵画作品が並ぶ館内

原村の八ケ岳美術館では、昭和期を代表する彫刻家の一人として日本彫刻界に大きな足跡を残した同村出身の芸術家、清水多嘉示(しみずたかし)の画家としての側面にスポットを当てた企画展を開いている。国内では初公開となるフランス留学時代のサロン出品作など、油絵や水彩画、デッサン作品45点を展示。時代による作風の変化が見て取れる展示内容になっている。会期は6月5日まで。

1981(昭和56)年に83年の生涯を閉じるまで数多くの絵画、彫刻作品を世に残した清水。明治から昭和にかけての激動期に信念を貫いた創作活動をし、美術教育でも後進の指導に熱心だったとされる。

当初は画家として活動していたが、1923(大正12)年に美術研究のために海を渡ったフランスで、彫刻家アントワーヌ・ブールデルの作品に感銘を受け、同氏に師事。以後、彫刻創作が主となったため、彫刻家としての評価が高まったが、画家としても非凡な才能を持ち、当時のパリで画家と彫刻の異なる二つの分野での活躍を果たした唯一の日本人と言われている。

同館学芸員によると、渡仏前と後では絵画作風に大きな違いがみられるという。諏訪にいた時代はタッチが繊細で素朴な色合いが特徴だったが、人生初めての本格的な美術教育を受けたフランス時代には、以前から好きだったルノアールの影響も受けながら、大胆なタッチ、色彩豊かな作風に変化したという。

今回の展示では、寄託作品を含む同館所蔵作品20点に加え、同館の長年の調査で明らかになった個人所有の作品、親族所蔵作品などを集めて展示。中には国内では初公開となる1925年サロン・ドートンヌ出品作「果物籠の女」、26年サロン・デ・チュイルリー出品作「風景」も含まれている。

館内では清水の彫刻作品も常設展示。開館時間は午前9時~午後5時。入館料一般520円、小中学生250円。問い合わせは同館(電話0266・74・2701)へ。

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