竹沢長衛の村田銃 生誕地の長谷で公開

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白鳥伊那市長(左)に長衛が愛用した猟銃「村田銃」の説明をする矢澤さん(右)

南アルプスの山小屋「長衛(北沢)小屋」を自費で建設し、山岳観光や遭難者救助に尽力した”南アの開拓者”竹沢長衛(1889~1958年)の愛用した猟銃「村田銃」を伊那市が取得した。市では長衛の功績を顕彰するため、遺族の了承を得て、地域の文化遺産として生誕地である同市長谷の長谷公民館に展示、2日から一般公開を始めた。

長衛は黒河内村(現伊那市長谷)に生まれ、父の山仕事を手伝いながら14歳のころから山案内を始めた。戦後に狩猟と山案内を生業とし、南アルプスの開発に尽力。東駒ケ岳や仙丈ケ岳を一般の人が楽しんで登れるようにと、登山道の開墾や山小屋の運営に力を注いだ。

一方で、「熊長」と称されるほどのクマ撃ちの名手で、取り回ししやすいように銃身を短く切った村田銃を使用。没後、愛用銃の行方はわからなくなっていたが、2011年の長衛小屋建て替えの際に床下から発見され、発見者が山梨県警へ届け出た。伊那市は歴史的価値から同県警へ払い下げを申請したが、所有者が確定できないことから却下された。関係者の証言と銃身が通常の銃より短いなど特徴が一致したため、6年ぶりに引き継ぎ許可が下りた。

高遠郷土歴史研究会会員で南アルプスジオパークガイドの矢澤章一さん(89)は20代のころ、山小屋で長衛と生活を共にした。2日に長谷公民館で開いた報告会で矢澤さんは当時の生活ぶりや長衛との思い出を語り「猟師にとって銃は武士の刀のようなもので猟師の魂。(村田銃を見て)長衛翁に久しぶりに行き会ったように感じる」と昔を懐かしんだ。来賓の白鳥孝伊那市長は「竹沢長衛という人を世の中に知ってもらい、地元にも長衛翁の功績を発信していきたい」と話した。

村田銃は長衛の功績などのパネルと一緒に同公民館の郷土資料室に当面の間展示。月~金曜日は午前8時30分~午後5時まで、土曜日は午前10時~午後4時まで無料で観覧できる。問い合わせは同公民館(電話0265・98・2009)へ。

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