岡谷市 武井武雄生家解体へ 西堀保整備向け

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解体が決まった武井武雄の生家と、現在の西堀保育園(奥)

岡谷市は、建て替えを計画している西堀保育園の整備に向け、隣接する同市出身の童画家武井武雄の生家を解体する方針を決めた。13日発表した2018年度一般会計当初予算案に生家敷地を含めた一体的な整備を図るための基本設計と実施設計の費用5600万円を計上。19年度の着工を目指す。武雄の顕彰を求める市民の声にも配慮し、新保育園には武雄の世界観を取り入れていく考えだ。

武雄の生家は08年に市に寄贈された。木造平屋建てで、床面積は187平方メートル。江戸時代に建てられた中級武士住宅で、市教育委員会の調査では文化財的価値はないとされた。市道を挟んで隣接する敷地は約2200平方メートルあり、市は12年度に策定した保育園整備計画では生家を解体した上で一体的な活用を図る方針を打ち出していた。

これに対し、市民グループの「武井武雄をあいする会」(小口基實会長)は「武雄の創作活動の原点」として生家の保存と活用を市に要望。一方、地元の西堀区は武雄の顕彰と保育園の早期整備を条件に市の方針に賛成することを決め、早期整備を求める要望書を提出していた。

こうした状況から、市は一体的な整備の方針は維持しつつ、解体については慎重に検討してきた。今年度は敷地の測量を実施。その結果、併設する発達支援施設や保護者駐車場の機能を確保するためにはある程度の広さが必要で、生家の解体はやむを得ないという結論に達した。

その上で、武雄を顕彰するため、再利用可能な生家の部材は有効活用して一部を再現したり、武雄作品のデザインや世界観を保育園全体に取り入れたりしていくことを決めた。現在の保育園と生家敷地の間にある市道は付け替える予定。18年度に設計、19年度に生家の解体と新保育園の建設工事に取り掛かり、20年度中の完成を目指す。

今井竜五市長は13日の会見で「地域住民や保護者の思いも踏まえて判断した。武井武雄先生の世界観を生かし、魅力ある保育園をつくっていきたい」と述べた。一方、同会は「残念だが、真摯に受け止めるしかない。リノベーションという方法もある。顕彰にはできるだけ生家の建物を活用する方向で最善を尽くしてほしい」と話した。

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