2018年2月17日付

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天然の藍で染めた日本の藍色は「ジャパンブルー」と呼ばれる。藍という植物の葉を発酵させて青に染める染料を作る。大変な時間と手間を必要とするが、繰り返し染め重ねることによって、深みのある青に染まっていくのだという▼そんな日本の伝統的な染色技法から、トップアスリートを連想することがある。来る日も来る日も倦むことなく練習を積み重ね、技に磨きをかけてきたスピードスケート日本女子短距離のエース小平奈緒さんが、オリンピックという最高の舞台でメダルを獲得した▼量が蓄積すると質的変化が起きる「量質転化」という言葉があるが、彼女はまさにその体現者ではないか。オランダでの単身修行を経て別次元の高みに到達した感じだ。500メートルは国内外のレースで24連勝中と圧倒的な力をみせ、1000メートルは世界記録を樹立した▼迎えた4年に1度の祭典。今大会2戦目となる1000メートルでは世界女王としての重圧もかかる中で力を出し切り、銀メダルを手にした。五輪の個人種目では自身初の表彰台である。金を逃した悔しさはあろうが、周囲の期待に応える素晴らしい滑りを見せてくれた▼早くに才能を認められていたとはいえ順風満帆な競技人生ではなかっただろう。転んでは立ち上がってきたところに小平さんの強さはある。あすは最も得意とする500メートルが控える。染め重ねてきた色は氷上でどんな輝きを放つだろう。

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