2018年02月19日付

LINEで送る
Pocket

雪交じりの強風が吹きつけても日差しに春の柔らかさが感じられる。今冬を振り返れば寒さや雪氷にまつわる話題や被害が多かった。目新しかったのは気象庁気象研究所の「関東雪結晶プロジェクト」▼降雪が少ない関東ではどんな条件下だと雪が降るのかいまだ分からない。そこで市民に「結晶の写真を撮って」と呼び掛けた。形の違いが予測の手がかりになるそうだ。気象研究に住民が参加できる面白さと、はかなく神秘的な美が積雪へのいら立ちを自然への驚き、興味に変えてくれた▼諏訪湖では5年ぶりの御神渡りに活気づいた。気をもむ住民をよそに凍っては解けを繰り返す水面。判定と神事をつかさどる八釼神社の宮坂清宮司は「結氷してあっという間に御神渡りができた諏訪湖を見て畏ろしいと思った」と自然への畏敬を語った▼季節の締めくくりは雪氷が舞台の平昌五輪。人間が生み出した結晶の輝きがまぶしい。重圧の中でも最高の結果を出す選手たちの胆力と技に息を飲む。彼らのこれまでの辛苦を思うと賞賛の言葉さえおこがましく、ただ圧倒される▼選手が持てる全てを注いだ挑戦はわずかの間に勝敗を決し、湖の神の通い路も消える時はあっけない。きょうは二十四節気七十二候の土脉潤起(土のしょう潤い起こる)。この冬、感動をくれたさまざまな結晶は形を変えて心にしみ入り、人びとの気持ちを豊かにしてくれるだろう。

おすすめ情報

PAGE TOP