今井邦子 御柱を詠む 歌集「明日香路」に収録

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アララギ派歌人の今井邦子(1890~1948年)が諏訪大社御柱祭の短歌を作っていたことが分かり、下諏訪町湯田町の今井邦子文学館で紹介されている。32(昭和7)年の御柱祭で邦子が東京から実家(現今井邦子文学館)に帰った際、詠んだ歌で、御用材を調達する八ケ岳連峰の阿弥陀岳中腹の「御小屋山」と見られる「御子屋嶽」や、曳行時に吹く「ラッパ」も詠み込まれている。

38年発行の歌集「明日香路」(古今書院発行)に載る。「御柱祭に帰省して」と題し、御柱祭を知らない人にも分かるよう「この祭はふるき世のものにして七年に一度の大祭也」と副題が付く。

短歌は8首ある。最初に、諏訪の人たちが御柱祭をする年がきた―と「青山の斎きはるべに洲羽びとが御柱祭する年は来ぬ」と詠み、続いてナシの花が終わるころ訪れた―とある。

諏訪湖博物館・赤彦記念館によると、「御子屋嶽」や、諏訪市神宮寺に住んでいた甥の綱を持つ様子を詠ったり、徳島県から湯田町の邦子の実家に移った母親が祭りについて「心なじめぬ祭にせはしむ」としているなど、上社、下社両社の御柱祭に参加しての思いがつづられているという。

当時の御柱祭でも「ラッパ」が使われており、祭りが終わっても「山の村々へ引きあぐる列はつづけりラッパ吹きつつ」とある。最後は植物のミズキを題材に「風吹けば枝もたわわにあはあはし水木の花に葉はゆれかへる」と結んでいる。

諏訪湖博物館が今春に迫った御柱祭にちなんで紹介し、邦子の作品に興味を持ってもらえればと文学館で案内。短歌の複写紙を置き、配布している。

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