「ドローン」間伐省力化有効 伊那市実用化へ

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ドローンを使った実証実験の報告会で、解析した画像データを示しながら説明する加藤教授

伊那市は22日、小型無人機「ドローン」を使った森林調査で間伐の効率化、省力化につなげる実証実験の結果報告会を市役所で開いた。実験を委託された信州大学山岳科学研究所(南箕輪村)の加藤正人教授=森林計測学=は、ドローンによる間伐前と後の空撮画像を組み合わせる解析も行うなど、高精度なデータが得られたと説明。正確な間伐計画の立案のほか販売や森林育成など中長期的な生産体制にも活用が期待され、白鳥孝市長は「実際の作業の中に持ち込む。モデル事業として国などへも提案したい」と実用化の考えを示した。

実証実験は普及型の比較的安価なドローンを使用。上伊那森林組合が施業する同市長谷の約5ヘクタールの間伐林で行った。加藤教授の研究室は独自に開発したソフトで撮影画像を三次元化し、木の高さ、直径、材積を1本ずつ計測。間伐前と後を比較することで、間伐率を算出した。

加藤教授は報告会で、実際の状況とデータ解析した結果がほぼ一致したと紹介。さらに、ドローンの撮影に要した時間は設置や片付けを含めても40分ほどで、人力によって調査した場合に比べて大幅な省力化が図られると話した。

その上で、今後は現場に導入するための国補助の制度改革が必要と指摘。全国に普及が図られるよう、伊那市の取り組みをモデル事業として発信していきたい考えも話した。

この日は、加藤教授が人工衛星のデータを用いて開発した松くい虫の被害木抽出技術を活用した実証実験の結果報告もあった。市などはこの実験でもドローンを用いたが、同研究室の竹中悠輝さんは「松枯れ被害は短期間で変化が起こるため、柔軟に撮影計画が立てられるドローンは有効。雲に隠れてしまった場所を撮影することも可能」と今後の可能性も示した。

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