販路広がる鹿革製品 伊那の「笑顔の時間」

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名刺入れや財布、大小のバッグと、これまでに商品化した鹿革製品は約50種類。手縫いならではの味が出て1点1点表情が異なる=南箕輪村久保のこまっちゃん処かふぇ

南箕輪村のNPO法人「やればできる」が運営する伊那市西箕輪の障がい者就労支援事業所「チャレンジセンター笑顔の時間(とき)」で、利用者が鹿革製品づくりを続けている。上伊那地方で捕獲された鹿の皮を資源として活用し、地域貢献や就労支援につなげたいと事業化して間もなく5年。手縫いや素材の良さなどから愛用者が増え、積極的なイベント出店の効果もあって販路も広がっている。

当初から中川村の猟友会が協力。同法人が元皮を有償で譲り受け、県外のなめし着色工場を経て計10色の革を仕入れている。日本でも古来より重宝された鹿皮。小松みどり理事長は「強く柔らかく、そして軽い。3拍子そろっている」と特長について話す。

事業所には上伊那の10~60代の23人が登録しており、役割分担をして製作。強い分そのままの状態では針を通すことはできず、手縫いの前に菱目打ちという穴を開ける工程が加わるなど、労力と時間を要する作業だ。

材料を無駄にしないことも理念の一つ。形がばらばらの端材をデザインの一部に取り入れてスマートフォン用ポーチにしたり、刻んで鍋敷きの柄にしたり。新作の企画やデザインも利用者を交えて検討し、ペンケースやワインボトルバッグ、愛らしいキーホルダーなど約50種類を生み出した。製品にはD―eki―tane(できたね)の文字を入れて販売する。

一つ一つ手縫いならではの味が出て表情が異なり、固定客も増えてきた。昨年にレーザー加工を導入し、メッセージ入りの記念品の注文にも応じられるようになった。

南箕輪村久保の「こまっちゃん処かふぇ」で主に取り扱うが、3月末を目途に同村南殿の国道沿いにも販売拠点を設ける考えでいる。地元自治体のふるさと納税の返礼品にも採用。上伊那、諏訪地方の複数の高速道路サービスエリア・パーキングエリアや、観光施設、レストランと取引先もじわりと広がってきた。

小松理事長は「しばらくは手探り状態でしたが、いまはだいぶ慣れて作業スピードも上がってきました」と利用者の姿に目を細める。「等身大のまま無理しない程度に進めたい。いつか、技術を身に付けた利用者たちが働ける会社を立ち上げられれば」と思い描いている。

注文や購入方法の問い合わせは同法人(電話0265・98・0863)へ。

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