岩垂今朝吉の学んだ教科書 諏訪教育会へ寄贈

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寄贈された岩垂今朝吉が使用した書籍を手にする関係者ら

明治時代から小中高校の一貫した教育の必要性を説き、生涯を掛けて諏訪教育の礎を築き上げた岩垂今朝吉(1865~1917年)が、師範学校時代に使った教科書など書籍104冊が2日、岩垂の子孫の宮坂和昭さん(70)=諏訪市神宮寺=から諏訪教育会(藤木一弘会長)へ寄贈された。孟子や論語の注釈本、縦書きの数学書などいずれも和本。書き込みなど岩垂の足跡が記され、教科書の歴史を知る上でも貴重な書籍。教育会では広く一般にも紹介し現代教育に生かす。

岩垂は平野村(現岡谷市)小井川の農家の長男として生まれ、家事を手伝いながら寸暇を惜しんで勉学に励んだ。19歳で松本にあった県師範学校へ入学、3年間学び、卒業後直ちに現在の諏訪市高島小学校の訓導になった。素封家の教育財政的援助を受け、女学校や実業校を設立し経営に尽力。同小や現在の諏訪二葉高、諏訪実業高の草創期の校長を務め、諏訪清陵高では長年にわたって教壇に立ち、諏訪中等教育の道を開いた。実生活においては一貫して質実剛健の精神を尊び慕われた。

教科書は「筆算通書」「改正小学校教授方法」など現場での指導書もある。岩垂の末弟・太一郎が曽祖父に当る宮坂さんが、岩垂の生家土蔵で長年保管してきた。ページの角がすり切れるほど使った痕跡が見られ、1冊ごと「平民」「所有岩垂今朝吉」の文字が記されている。

贈呈式には岩垂が校長、教師を務めた各校校長、小島雅則諏訪市教育長、教育会らが出席。蔵から出して書籍を整理した元信濃教育会編集主任の小口明さんと、岩垂を語る冊子を発刊した平島佐一さんが岩垂の概要、書籍の内容を説明した。

宮坂さんは「有効に使ってもらえればありがたい」と藤木会長へ目録、書籍を手渡し、藤木会長は「永く保存し教育資料として活用したい」と礼を述べた。

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