2018年3月5日付

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雪解けとともに農家のせん定作業や作付け準備が始まった。冬の間に練った栽培計画に沿って丁寧に土を起こし、肥やす。地域に活気が戻ってきた▼作業の一つ一つに農家独自の知恵と工夫がある。前年までの経験が生かされるも、前年通りとはいかないのが農業の難しさ。植え付け時期は無論、作物が好む土質、水分量など豊富な知識が必要だ。農地の隅々まで茂らせるのが腕の見せどころだろう▼行政も新年度の始まりにあたり予算の議会審議が進んでいる。自分の住む市町村が何にどう力を注ぐのか、とりわけ新規事業は行政の個性と意欲が表われ注目される。富士見町はIT関連事業者が集まる町営オフィスに、簡易宿泊ができる交流施設を併設する計画を示した▼オフィスは移住定住者の誘致と産業振興を目的に開き、2年余。利用好調で新たな人のつながりや事業のチャンスも生んでいる。施設拡充という次の一手でさらなる発展が期待される。ただ、公の事業は常に民間への影響や住民益に慎重な配慮が要る。一点完結のサービスは利用者の便を上げるが、地域内の人と経済を回す活力にはつながりにくい側面もある▼企業なら勢いある芽を伸ばすのが常道ながら、行政には力の弱い芽を守り育てる役目もある。促成栽培に加えて、植物同士が生育を助け合い、相乗で豊かな農地をつくる「共栄作物」の作付け技が地域づくりにもあるといい。

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