野立て太陽光発電施設 茅野市湖東笹原区が自主規制

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茅野市湖東の笹原区(堀内泰次区長)は、集落周辺の一定区域内に野立ての太陽光発電施設を設置しないことを申し合わせた。八ケ岳山麓に広がる田園風景を守ることで移住や定住を促進し、高齢化が進む集落の活性化を図る狙い。太陽光発電施設の“自主規制”に踏み込んだ行政区は市内初で、県環境エネルギー課も「(県内でも)聞いたことがない」としている。

笹原の集落は、新田開発で1645年に始まったとされ、稲作や養蚕で発展した。家々には「こて絵」をあしらった土蔵や板倉、池が残り、昔ながらの風情を醸している。「流れる星は生きている」を書いた作家の藤原ていさんの出身地でもあり、今は94世帯、約300人が暮らす。高齢化率は50%に近いという。

太陽光発電施設の自主規制は、昨年夏ごろに浮上した区内初の設置計画がきっかけ。区議会(11人)は10月17日、自主規制の導入を視野に、区の特別委員会「開発対策委員会」(11人)に検討を依頼。12月5日の答申を受けて規制の方針を固め、区民に周知した。一部に「耕作放棄地の方が景観に良くない。太陽光発電施設を作った方が良い」との反対意見もあったが、1月31日の定期総会では「大多数の賛成」で可決されたという。

規制区域は集落を中心とした半径約500メートル。古い家並みや農地、山林をはじめ、奥蓼科温泉郷や御射鹿池に続く県道渋ノ湯・堀線(湯みち街道)や、県道富士見・原・茅野線が通る。住民の暮らしや観光客の印象に影響する範囲を選定したという。

長野日報社の取材に対し、堀内区長(67)と関誠議長(67)は「先祖から受け継いだ里山の自然景観を後世に伝えていくのが我々の務め。この景観を好んで移住した方もいる。人口減少の中、里山の風景を守ることで若い人を呼び込み、区の活性化、発展につなげたい」と話した。

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