自然と建築の調和探究 藤森照信さんが講演

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自然と建築の調和について語る藤森さん

八十二文化財団(長野市)は17日、文化講演会を茅野市の茅野市民館で開き、同市高部出身で建築家の藤森照信さん(71)が「自然を生かした建築のつくり方」と題して講演した。自身が手掛けた作品を紹介しながら、独創的な発想で自然と建築の調和を探究するものづくりを語った。

日本の近現代建築史が専門家だった藤森さんの建築家デビューは45歳。出身地の茅野市高部で、諏訪大社上社の神職の最高位「神長官」を中世から明治時代まで勤めた守矢家の文書を保存、公開する新たな博物館「神長官守矢史料館」(1991年2月開館)の設計だった。

藤森さんは、文化財保護のために構造を鉄筋コンクリートにする制約の中で、「縄文の記憶を残す守矢家」に見合う自然素材を生かした建築を目指した。近代的な現代建築ではなく、「400年の歴史しかない本棟造り(古民家)」でもないデザインを模索。行き詰まり、最後に残ったのが小屋風の形だったという。

地元で不評の声もあったが、市民の意見から「地元の景観は壊していない」と確信した。また、2020年の東京五輪主会場となる新国立競技場をデザインした建築家の隈研吾さんが、「見たこともないけど懐かしい」と評価する文章を発表してくれた。

藤森さんは「守矢史料館以降の建築テーマは明快で、神様が創った自然と人間が作った建築の間をどういう風に調和させるのか。それが私の関心」とし、「建築には自然の力や精霊を際立たせる力がある。それを人の目に表す建築ができれば」と話していた。

講演会には約220人が参加。「やってみないとわからない」と語り、失敗を恐れずものづくりを楽しむ藤森さんの言葉に聞き入っていた。

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