2018年3月18日付

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3月に入ってから卒業式や卒園式の写真が紙面を飾る機会が増えている。子どもの表情は笑顔だったり、きりっと引き締まっていたり。カメラやビデオを構える親御さんにとっては成長を感じられる瞬間だろう▼駆け出しの頃、写真を撮る時の注意点として「自分が撮ろうと思った場所から一歩前に出ろ」と指導された。人物撮影は表情が大事だ。表情一つで写真の印象は変わる。だが「言うは易し」で実際は難しい▼沖縄県出身で諏訪市在住の報道カメラマン石川文洋さんは「写真は心で撮る」ことを強調する。ベトナム戦争で軍と行動を共にし、目の前で兵士が銃撃で倒れたり、地雷が爆発したりと死と隣り合わせの日々だった。それでも従軍を続けた。著書「写真は心で撮ろう」で「従軍をやめてしまえば、自分への挑戦を放棄することになります」と振り返る▼石川さんが先日茅野市内の中学校で授業をした。「戦争で悲しい顔をたくさん見ているから笑顔や美しい風景を見るとうれしい。戦争の写真は怒ったり悲しんだりする気持ちで撮っている。どちらも、心の感動にシャッターを押している」と語ったと小紙が伝えている▼デジタルカメラが誕生し、取材で撮った写真を現像することはなくなった。写真をその場で再生できる機能もある。一方で、「この1枚に集中する」気持ちが薄れていないか。自戒を込めつつ写真に対する感性を高めたい。

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