2018年03月22日付

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子どもが外遊びする姿を見なくなった―といわれて久しい。公園で親子連れは見かけるものの、かつて地域のあちこちで見られた、というにはほど遠い気がする。時代の変化というには割り切れなさが残る▼自らの体験からも、外遊びは個人・集団を問わず現実的学びの場だった。風の冷たさ暖かさから天気の変化、居住する地域の地理や山々の眺望、川の水量や清濁、月の満ち欠けなど四季を通じたさまざまな変化を直接感じられた▼動植物も重要な教材だった。カブトムシやセミが捕まえられる場所、ナツメやクワの実、アンズ、アケビにありつける場所などは、遊びの中から身に付けたものだ。思えばその体験が「生きる」の原動力にもなったのだと思う▼外遊びが廃れつつある中で、県は自然環境を保育の場に積極的に取り入れ、子どもが「自ら学び」「成長しようとする力を育む」を狙いに「信州やまほいく(信州型自然保育)」認定制度を2015年度からスタート。県内152の保育園などが認定され率先して外遊びが行われている▼今年も卒園シーズンを迎え多くの園児たちが、思い出を胸に慣れ親しんだ園舎に別れを告げる。数年後にはスマートフォンなどを手に、疑似体験的世界に夢中になるのだろう。だが、世の中は画面では知りえない事実がたくさんある。せめて外遊びから得た学びだけはいつまでも忘れないでほしいと願うばかりだ。

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