御柱祭を彩る9 「おんばしら館よいさ」下諏訪町

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御柱祭を知ろうという観光客らでにぎわう「おんばしら館よいさ」

御柱祭を知ろうという観光客らでにぎわう「おんばしら館よいさ」

館内に一歩入ると、ラッパや木やり、氏子の歓声が大きく響きわたる。諏訪大社御柱祭の下社山出し最大の見せ場「木落し」を再現する装置。御柱に見立てた長さ約3メートルの擬木にまたがれば、目の前に流れる映像と効果音に合わせ、振動しながら擬木が前方に傾斜。長さ約100メートル、最大斜度35度とされる木落し坂を下る擬似体験ができる。

7年目ごとに1度の御柱祭。勇壮な祭りを見ようと、全国各地から多くの観光客が押し寄せる。だが、山出しは会場が狭いなど祭り期間中に御柱を実際に見たり、触れたりするのは難しい。いつ訪れても御柱祭の興奮や醍醐味を知ってもらう場に―というのが、下諏訪町が観光施設「おんばしら館よいさ」を開設した狙いの一つだ。

館内に展示されたのは、木落し体験装置のほか、御柱の曳き綱や祭りに彩りを添える長持ち、騎馬行列の衣装、道具、さまざまな祭り法被など。過去の御柱の映像を流すシアター(学習集会室)を設け、御柱祭の主要場面を紹介したジオラマ(模型)も展示している。

展示物はできるだけ住民参加で作り上げた。長持ちは町の長持保存連絡協議会が製作を担い、屋外に置いた模擬御柱は昨年5月のイベントで住民や来場者が皮むきをするなどして仕上げた。曳き綱のうちの1本は、今年の山出しで秋宮一に使われた元綱を、製作した第一区が飾った。

第一区の元綱は綱の表面にこすれた痕が残るなど、祭りの熱気を思い起こさせる。久保田昭区長(62)は「実際に祭りで使ったものなので、臨場感がたっぷり。観光客や町民に関心を持ってもらえればうれしい」。長持保存連絡協議会の宮坂甲一会長(55)は「館内で下諏訪伝統の長持ちに触れ、実際に祭りに足を運んでもらうきっかけになれば」と期待する。

おんばしら館よいさがあるのは諏訪大社下社春宮近く。5月の里曳きでは多くの観光客が訪れるとみて期間中はスタッフを増員して対応する。宮越公之進館長(66)は「まだ開館間もないが、展示を見て、『御柱ってすごいですね』と言ってくれる観光客の方も多い」とし、「祭りの実感が湧く展示や体験コーナーがそろっている。御柱祭への理解が深まるのにつなげたい」と話している。

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