陸軍登戸研究所を後世へ 調査研究会5月発足

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登戸研究所を後世へ伝えていくために調査研究会の立ち上げを決めた住民有志ら

太平洋戦争末期に駒ケ根市内などに疎開した破壊やスパイ工作の研究機関・陸軍登戸研究所を後世に伝えていこうと、市内の有志が活動を始めた。戦後70年以上が経過し、研究所の歴史を知る住民らが高齢化する中、聞き取り調査や資料の収集に改めて取り組むとともに、展示施設の設置や歴史に詳しい人を養成してPR活動に力を入れる考え。28日に市内で会合を開き、5月に調査研究会を立ち上げることを確認した。

登戸研究所は本土決戦に備え、1945年に川崎市登戸から疎開。毒薬や細菌、特殊爆弾を開発する研究部門が市内などに移った。終戦後は資料が処分されるなどしたために研究所の存在が広く知られることはなかったが、89年に赤穂高校平和ゼミナールが調査を始めたことで、その実態が徐々に明るみになった。

調査研究会の発足は、元平和ゼミ顧問の木下健蔵さん(63)と、駒ケ根市の前教育長小木曽伸一さん(69)が発起人となった。28日の会合には、市内の教育関係者のほか平和ゼミOGや現役の赤穂高生、関心を持つ住民約20人が出席。研究所の調査や保存、展示施設を確保し、地域の戦争遺産として伝承していくために「持続的に活動する団体が必要」と確認。その上で、5月13日に駒ケ根総合文化センターで研究会の発足式を開くことを決めた。

出席者からは「研究所に関わった人が80歳以上となり、貴重な遺産を残していくには時間がない」などと発言があり、市立博物館での展示会の開催や市民俗資料館の関連展示の拡充などを目指していく提案が出た。

木下さんは「今後は常設の展示場所をつくって平和教育や観光に役立てたい。『語り部』も必要になる」と意見。小木曽さんは「われわれが研究所について発信するサポーターとなって地域で活躍し、駒ケ根全体が博物館となるよう活動していきたい」と話した。

発足式は13日午後1時30分から勉強会を兼ねて開く。広く参加を呼び掛けている。問い合わせは事務局の松久さん(電話090・8365・5034)へ。

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