2018年03月31日付

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真冬のような寒の戻りに体を震わせたのはわずか10日前のこと。東京でも雪が舞った「春分の日」を境にして、本格的な春の到来を実感させる暖かさが続いている。散歩の途中、花の香りを含んだ風に包まれると、足取りまで軽くなる▼この陽気に促されるように、あちらこちらで花の芽吹きが始まっている。桜前線も急ぎ足で北上しているようだ。日本気象協会の発表だと、”天下第一”と称されるタカトオコヒガンザクラで知られる高遠城址公園の開花予想は4月4日。平年に比べて8日も早い▼〈ある朝 とつぜん/噴水のように 春が あふれた/いろんな いのちが/「みてみて!」と よびかけてくる〉。工藤直子さんの「目ざめると」という詩の一節を引用した。生命力あふれる春の喜びに満ちた作品。読んでいるだけで、心がうきうきとしてくる▼春は旅立ちのときでもある。長年勤めた会社を退職し、第2の人生をスタートさせる人もいるだろう。学業を終え、社会人として一歩を踏み出す若者は、入社を前に不安と緊張でいっぱいの毎日だろうか。こうした新旧交代によって新たに生み出される活力もある▼早くも1年の4分の1が経過し、新年度へと切り替わる。春は万物が上を向く季節だとも言われるが、どこか気ぜわしく、周囲の活気に気後れして焦ることも。お花見という楽しみもあるし、気分一新、ギアを入れ直して始動したい。

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